ゼロ・スピード
慣性軌道
検測システム

速度ゼロから軌道検測可能な
次世代の慣性測定装置

ZeroTrak LR-S120

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ゼロ・スピード
慣性測定法とは

デイシーの「ゼロ・スピード慣性軌道検測システム」は、その名のとおり、速度ゼロから高速まで、高精度に軌道検測可能な次世代の慣性測定装置です。
従来の慣性測定法は、加速度を二回積分することにより、慣性空間における加速度計の軌跡(Space curve)を知る方法ですが、加速度が小さい低速では、わずかなノイズ成分も積分されてしまい、精度が劣化してしまうというデメリットがあります。
ゼロ・スピード慣性測定法は、高精度ジャイロスコープが検出する角速度信号をデジタル処理して軌道検測します。最大の特徴は積分演算が不要なことで、このため極低速域でも精度劣化することなく高精度検測が可能です。もちろん、350km/hを超える高速域においても高精度が保持されます。

ゼロ・スピード
慣性測定法の適用例

※ いずれも2025年9月現在。

  • ZeroTrak-IST

    営業列車搭載
    (ZeroTrak-IST : In Service Train) 0~350km/h

    新幹線・在来線の車体床下に設置され、毎日複数回の軌道検測を完全無人で行います。ジャイロスコープで装置の軌跡を算出するとともに2Dレーザーセンサを用いて装置~レール間の相対変位を測定し、両者の信号を演算して軌道形状を高精度に記録します。
    現在、新幹線営業列車6編成で稼働中です

  • ZeroTrak-MV

    保守用車搭載
    (ZeroTrak-MV : Maintenance Vehicle) 0~80km/h

    保守用車の床下や台車に設置するタイプです。専用の軌道検測車としたり、レール探傷車・線路確認車・モーターカーに軌道検測機能を付加することも可能です。
    海外鉄道にて1台稼働中。国内で1台製作中です

  • ZeroTrak-tt

    牽引トロ
    (ZeroTrak-TT : Towed Trolley) 0~70km/h

    機関車・保守用車・軌陸車に連結できるトロタイプの装置です。測定データは運転室に無線送信されリアルタイム表示可能です。空気ブレーキ・駐車ブレーキ・制動灯・尾灯を備えており、測定フレームは取り外し可能なのでメンテナンスも容易です。
    海外鉄道にて2台が稼働中です

  • LR-S120(牽引)

    小型軌道検測装置
    (LR-S120、牽引オプション装備) 0~15km/h

    シンプルな構造のLR-S120は牽引オプションを取り付けることにより、機関車、保守用車、軌陸車、軌道バイク等で牽引できます。長距離の検測が必要な場合は作業時間を大幅に短縮することができます。走行速度は軌道状態に大きく依存し、ロングレール区間では20 km/hを超える速度で牽引できますが、定尺レール区間では15 km/h以下での牽引走行を推奨しています。現在、316台のLR-Sシリーズのうち19台に牽引オプションが装着されています。

  • LR-S120

    小型軌道検測装置
    (LR-S120)0~10km/h

    ゼロ・スピード慣性測定法は、頻繁に走行・停止を繰り返す小型軌道検測装置にも適用可能です。慣性測定法は測定機構がシンプルで、軽量(1067mmバージョンで13.4kg)で、故障しにくく、メンテナンスコストも安価です。最大の特徴は、ユーザーによる高低・通りのゼロ調整が不要なことで、ゼロずれによる測定不良の不安を解消しました。国内外の様々な鉄道(軌間762mmから1676mmまで)にて、316台が稼働中です

  • AG-PL100

    新交通システム用軌道検測装置
    (AG-PL100) 0~10km/h

    ゼロ・スピード慣性測定法は、新交通システムの軌道検測にも適用可能です。走行路の高低・水準、案内軌条の通り・軌間をリアルタイム測定します。新交通システムの急曲線(例えばR=30m)でも高精度検測が可能です。 国内の新交通システムにて、1台が稼働中です

主な仕様

ゼロ・スピード慣性測定装置(ZeroTrak)の主な仕様は以下の通りです。

検測項目 高低左右、通り左右、軌間、水準、平面性、速度
測定弦長 2.5m 弦、10m 弦、その他(5m、20m、40m 弦など、原波形、欧州
規格 D1、D2、D3 も可能)
データ間隔 0.25m
検測精度 10m弦高低、10m弦通り、軌間<0.5mm水準、平面性<1mm
(再現性:検測データ差の200m区間標準偏差)
最高速度 0km/h~ 350km/h
センサ構成  2Dレーザ変位計、IMU(慣性測定装置)、距離エンコーダ(オプション)、
地点検知装置(データデポ・反射板検出など、オプション)
電源 24V DC(車両から供給、バッテリー駆動可)
OS Windows 11
外形寸法(*) 1304mm(L)×1407mm(W)×564mm(H)
突起部含む最大の寸法
重量(*) 約140kg
オプション 分岐計測・分岐帳票出力/レール摩耗測定

*外形寸法や質量は、搭載する台車により異なります。